コートドール　沖縄　〝南の島のワイン屋さん〟

おきなわで、ワインを楽しむ、みなさまへ


【Vol.82】
~師範級~

【question】
2008年、ボルドーのグラーヴにある名門シャトー、パプ・クレマンと提供し、甲州種の白ワインを世界展開することになった山梨のワイナリーは?

(1)　中央葡萄酒

(2)　勝沼醸造

(3)　丸藤葡萄酒工業

(4)　山梨ワイン醸造

(5)　四恩醸造




【réponse】
(2)　勝沼醸造

山梨甲州市の勝沼醸造が、甲州で造った白ワインをパプ・クレマンと提携して、ヨーロッパをはじめ世界展開することになりました。
これは、1975年に日本で初めて貴腐ワインができたこと、1983年にサントリーがボルドーの3級、シャトー・ラグランジュを買収したこととともに、日本ワイン界の3大ニュースです。
【「アルガ・ブランカ　イセハラ　2007」世界デビュー】
(ヨミウリ・ワインニュースから)

勝沼醸造が世界展開するワインは、国内で「アルガブランカ・イセハラ」として販売している白ワインで、パプ･クレマンのマグレ家、勝沼醸造の有賀家の両方の名前を取って「マグレ・アルガ・甲州・イセハラ」として売ります。
勝沼醸造は、小規模のいわゆるブティック･ワイナリーながら、甲州の生産量は日本一を誇ります。

以前は、甲州の白といえば無色に近い色で、香りもなく、水のようなワインでしたが、現在の甲州は、イセハラを筆頭に、「エッ、これがホントに甲州なの?」とビックリするほど白いフルーツの香りが巨大で、酸味がしっかりしていて、ピュリニー・モンンラッシェに対する日本の返答だといいたくなるほど。
一口飲むと、ワインのプロも日本産の白ワインと思わないのでは?

これだけ品質の高いワインを造っても、日本のワイン通には、「ワインはフランス」との強烈な刷り込みがあるため、イセハラが美味しいと聞いても、なかなか飲んでもらえないのが現実です。
品質との闘いの次は、ブランド・イメージとの格闘なんでしょうね。

~ワインで覚えるフランス語~
【アロマ】
アロマ(arôme)とは、ワインやコーヒーなどの良い香りという意味です。
ワインの香りは多種多様で、ワインの楽しみの大きな部分を占めています。
グラスをスワリングして(回して)液面に鼻を近づける光景が、ワイン通の典型的なイメージとして浮かんできますね。

ワインのアロマは一次香(arôme primaire)、二次香(arôme secondaire)、熟成香(bouquet)に分類されます。
一次香はブドウ果実自体のもっている香りで、イチゴ、スミレなどというように果物の名前や花の名前を使って表現します。
二次香は発酵によって生まれてくる香りで、バターや吟醸酒のようなフルーティーな香りがここに含まれます。
熟成香はワインが熟成するにつれて出てくる香り。
なめし皮、乾燥フルーツ、ジャムなど、少しくせのある香りです。
この香りが現れてくるのと並行して、一次香のほうは、ワインの熟成とともに消えていきます。

香りの表現のヴァリエーションは数限りなく、ソムリエやワインの専門家たちによるテイスティング・コメントが、世界中の雑誌の誌面を毎号飾っています。
表現に確かな規則はなく、慣習的に繰り返されるものがあるだけですから、自由な発想で表現してしまっていいと思います。
グラスを回すことで香りがたちのぼりますので、鼻を近づけてゆっくりと香りをかいでみてくださいね。

【Arômes primaires】(一次香)
Arômes minéraux(鉱物の香り)
　(アローム　ミネロー)

silex(火打石)　craie(チョーク)　pétrole(石油)
(シレクス)　　　　(クレ)　　　　　　　(ペトろル)

※火打石はソーヴィニヨン・ブランやリースリングに現れる「ミネラリーな」香りです

Arômes épicés(スパイスの香り)
　(アローム　エピセ)

poivre(こしょう)　thym(タイム)　laurier(ローリエ)
(プワーヴる)　　　　(タン)　　　　　　(ロりエ)

おきなわで、ワインを楽しむ、みなさまへ、
今日も、ワインな楽しい日曜日をお過ごしください


ではでは

明日がラストですお付き合いくださいよだけんとワイン